目的は、新規顧客の開拓だけじゃない。
ビジネスパートナーとの出会いが、新たな商機に
By osumi_turbine.co.jp
車・宇宙・機械・エレクトロニクス
プロフィール
- 藤倉コンポジット株式会社 工業用品事業部 営業開発部 上田 裕一さん
- 藤倉コンポジット株式会社 工業用品事業部 営業開発部 間宮 啓輔さん(左)
- 藤倉コンポジット株式会社 工業用品事業部 技術部 製品設計チーム 井澤 憲司さん(中央)
- RX Japan株式会社 第三事業本部 木下 裕太(右)
藤倉コンポジット株式会社は、自動車用の重要部品から医療機器部品、さらにはゴルフのカーボンシャフトまで手がけるBtoBメーカーです。創業120年を超える歴史を持つ同社ですが、市況の変化を受けて今まさに変革している最中なのだと言います。そんな攻めの一手として取り組むことになったのが、RX Japanが主催する「オートモーティブ ワールド」です。出展を決めた理由と出展までの道のり、そして成果について、営業担当の上田さん、間宮さん、技術担当の井澤さんにお話をうかがいました。
会社情報
新製品の突破口を求めて、
生の意見が聞ける展示会を選んだ
井澤さん 当社は、創業時から誇るゴム製品の製造技術を活かして、幅広い分野に貢献しています。そんな当社の中でも大きな割合を占めているのが、自動車業界です。自動車に欠かせないガソリンやオイルなどの液体を漏れ出さないようにしたり、圧力を制御したりといった場面で、当社のゴム製品は力を発揮してきました。
しかし、そんな自動車業界は今、「ガソリン車から電動自動車へ」といった大きな転換期の真っ只中。ガソリンが使われなくなれば、当社のゴム製品が採用される場面も一気に減ってしまうおそれがあります。
そこで私たちは、別部門が注力してきたCFRP *の技術に目をつけました。もともと、ゴルフのシャフトを中心に開発を進めてきた技術なのですが、「軽量化」がテーマとなる電動自動車にも応用できるのでは?と考えたのです。
*CFRP:炭素繊維強化プラスチックのこと。軽くて強い特性から、幅広い産業で活用が進んでいる
上田さん ただ、自動車業界では長年ゴム製品を扱ってきたからこそ、CFRPを活用した新製品を周知するのは簡単ではありませんし、ターゲットもこれまでと同じとは限りません。
どうやったら、できるだけ多くのお客さまに当社の新製品を周知できるのか…。そこで選んだのが、展示会への出展です。自社HPの拡充やWeb広告なども考えたうえで展示会に決めたのは、お客さまと直接会話ができるから。「どんなニーズがあるのか」「どんな方に興味を持っていただけるのか」といった対面でのやりとりから得られる情報は、新製品の打ち出し方を模索する私たちにとって、重要な突破口になると考えたのです。
新製品をどう訴求すべきか?
職種の枠を越えて取り組んだブースづくり
間宮さん 社内の別部門では出展実績があったため、基本的なブース装飾等はそれらを参考に準備ができました。しかし、訴求する業界や製品が変われば、当然、見せ方も変わってきます。特に私たちの場合は、新製品の訴求になるため、「自動車業界においてどんな価値があるか」「どうやったらその価値をわかりやすく伝えられるか」といった、根本的なところから練っていく必要がありました。そこで、営業・開発・技術の3職種が集まり、それぞれの視点でアイデアを出しながら、ブースの見せ方やお客さまへの伝え方について何度も話し合いました。
そうして迎えた初出展では、新製品の“機能”にフォーカスしたのですが、それだとお客さま自身で製品の用途を考えていただかなければならず、多くのブースが立ち並ぶ会場では、なかなか立ち止まっていただけなくて。やっぱり、一度の出展で完璧なブースにはならないんだなと実感しましたね。
ひと目で、製品の価値がわかるようにしないといけない──。そんな気づきから、2回目の出展では30秒程度のCG動画を用意しました。当社の製品がある場合とない場合を比較し、言葉ではイメージしづらい実際の挙動を動画で見せるようにしてみたのですが、ブース集客にもかなり効果がありましたね。
上田さん また、当社の場合は、ブースの見せ方だけでなく、接客対応を行う社員の意識改革も欠かせませんでした。というのも、これまで扱ってきたゴム製品は長年の実績があるからこそ、お客さまからご相談いただくことも多く、どちらかというと受け身の姿勢になってしまっていたんです。しかし、新製品となるとそうはいきません。対話しながら、新製品のメリットをアピールしたり、今後の可能性を探ったり、攻めの姿勢に切り替えていく必要がありました。その点、出展前には多くのインプットが必要になりますし、当日はお客さま対応から学ぶことも多いはず。社員のマインドセットの機会としても、展示会は有効だと思いますね。
出展を継続する理由は、
展示会が商売につながっているから
間宮さん 初出展から3年目になりますが、その場で商談が始まったり、直接案件につながったりと、関心の高いお客さまが年々増えている状況です。
また、当社にとって大きな成果となったのは、大事なビジネスパートナーと出会えたことでしょうか。初出展の際、ブースを訪れてくださった方が当社の技術に興味を持ってくださり、共同開発をすることになったのです。数年を経て、現在は展示会への共同出展を予定しているところなのですが、当社としても、新たな商機につながる一歩になると確信しています。
井澤さん 製品の設計に携わる私にとって、展示会は、普段やりとりすることがない大手メーカーの方と直接会話できる貴重な場。現在向き合っている課題やお困りごとなど、そこで得られる情報はまさに生の情報で、次の開発にも活きる気づきを多くいただいています。
また、出展してみて思ったのは、「自分たちの会社のことって、思ったほど知られていないんだな」ということ。当社のゴルフシャフトしか知らなかった方がブースに立ち寄って「こんな製品もつくっているんだ」「こんなこともできるんだ」と驚いてくださるんです。そこから、「これってどうなっているの?」「こんなものもつくれる?」と、どんどん話が広がっていくことも多くて。自分たちの強みをPRしていく必要性を実感しましたね。
上田さん 目先の売上げはもちろんですが、新しいビジネスパートナーと出会えたり、開発のアイデアを得られたり。先々の商売につながっている手応えこそが、出展を継続している最大の理由です。
そんな成果が出ているのも、RX Japanさんのサポートがあるから。出展前には、目的やターゲット、コンセプトなどをヒアリングしてくださるだけでなく、当社の製品や強みを理解いただいたうえで、最適な出展エリアを提案してくださるんです。関心の高いお客さまと出会えているのは、そのおかげだと思いますね。今後も、RX Japanさんの力を借りながら、今以上に展示会を活用していきたいです。
RX Japan株式会社 第三事業本部 木下 裕太
ブースの位置をご提案する際に意識しているのは、出展目的に合っているかどうか。安易に「人通りが多いから」などの理由でおすすめすることはありません。どんな業界に売込みたいか、どんな課題を持っている方と出会いたいかなど、丁寧にお話を聞いたうえで最適な場所をご提案するように心掛けています。
ゼロからはじめる
展示会パーフェクトガイドブック
初めて出展される方などを対象に展示会出展までに
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担当営業のコメント