2024.10.29
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展示会やイベント運営会社とは何か?信頼できるパートナー企業選びのポイント

展示会のノウハウ

この記事でわかること

  • イベント運営会社の種類と役割
  • パートナーとなる運営会社を選ぶ基準
  • イベント運営会社を探し始める時期

自社の製品やサービスを訴求するために「自社でイベントを仕掛けて集客する」「展示会出展によって顧客の開拓を図る」といった手法がとられます。しかし経験が乏しいケースでは、自社だけで企画から運営までを実行するのはかなり難易度が高いのも事実です。

こうしたとき、イベント運営のノウハウが豊富な企画会社、運営会社といった存在が頼りになるでしょう。それには、自社のニーズにマッチした信頼できるパートナー選びが重要です。

イベント運営を実行するまでのプロセスと会社選びのポイントを解説します。

イベント運営会社とは何か

イベント運営会社とは、イベントの運営全般に関わる企業です。

本来「イベント」は広範囲な用語で、式典や株主総会などのほかスポーツ、音楽イベント、パーティーといった内容も含まれます。

一方、企業のマーケティング活動として行われる「イベント」は、自社製品の宣伝、訴求を目的として集客される催しを指します。展示会や講演会などが代表例として挙げられます。

イベント運営を行う会社の種類

イベント運営会社には、さまざまな種類があります。

以下はいずれも広い意味で「イベント運営会社」と解釈されますが、実際の役割は大きく異なります。

巨大な展示会が行われる場合を例に、構造を整理してみましょう。

主催者・主催会社

展示会場を借り受けて、展示会そのものの企画を行うのが主催者・主催会社です。

業界団体によって主催される場合もありますが、RX Japanのような民間の主催専門会社もあります。

主催者は全体企画に留まらず、出展募集やブースの配置、集客、当日の円滑な運営までの最終的な責任を負います。その他、個別の出展企業に対し、展示会準備に向けた相談や業者の紹介などを行うケースも多くあります。

イベント企画会社・プロデュース会社

イベント企画会社やイベントプロデュース会社は、展示会に出展する企業からの依頼を受けて、展示内容、ブース設計、施工などの手配を行います。さらに当日もブースに常駐して、出展企業の支援を行うことが多いです。

イベント専門の企画会社のほか、広告代理店やマーケティング会社のなかにもこうしたサービスを提供する会社があります。

装飾・電気工事・音響設備を提供する会社

展示会では、ブースの施工やブースでさまざまな演出を行うための電気工事・音響設備といった備品を整える会社の存在も欠かせません。

イベント企画会社、プロデュース会社などに任せる場合も多いですが、出展企業が企画会社などを介さずに直接依頼することも可能です。

電気専門、音響や映像専門、水回り…など専門別に特化している会社が多いですが、総合的に手配し企画・プロデュースにも対応できる装飾会社もあります。

当日の人員を派遣する会社

受付・接客スタッフ、ブース設営のためのアルバイトスタッフなどを派遣する会社です。

その他、会場全体では誘導や交通整理のスタッフ、警備スタッフなども、このような派遣会社からの人員であることが多いです。

リアルなイベントはマンパワーが必要となるので、こうした人材派遣会社なくして、イベント運営は成り立ちません。イベントの規模が大きくなるほど、派遣人員の人数も何百人と大人数になります。

イベント運営会社に依頼するメリット・デメリット

イベント運営会社は、多くのイベントに関わった実績をもつため、依頼することによって得られるメリットも大きいです。一方で、外注するからこそのデメリットもあるため、以下でメリットとデメリットをそれぞれ紹介します。

メリット1. 自社の負担を減らせる

イベント運営会社はイベントのプロです。運営に関する一連の業務を依頼できるほか、不明点・懸念点を相談できます。

イベント運営経験のない企業にとって、業務と並行しながらの準備は相当な負担です。そうした負担を減らし、業務に集中できる環境を整えることで、業務のパフォーマンスも落とさず、精度の高いイベント開催が実現しやすくなります。

メリット2. インパクトのあるイベント施策を実行できる

経験豊富な運営会社の知見を活かすことで、「かっこいい」「デザインが目を惹く」展示ブースを実現しやすくなります。

展示会で多くの来場者の注目が集まれば、その後も話題になり「成功」と言える可能性が高いでしょう。自社の開催経験が乏しい場合に自社単独で企画することで「デザインが思っていたのと違った」、「反響が少ない」となったら逆効果です。

客観的な意見を出すことができて、実行力のある運営会社の力を借りられるのは大きなメリットです。

デメリット1. 依頼すれば必ず成功するとは限らない

「イベント運営会社に依頼すればイベント運営は失敗しない」という単純な話ではありません。

たとえプロに依頼しても、自社のイベントの目的や内容に合っていない、もしくは自社の意向がうまく伝わっていなければ、思うような効果は得られません。

上記のような齟齬によってイベント運営会社に数十~数百万円と多額の費用を支払っても、頼んだ意義を感じられなかったというケースはよくあります。

そういったリスクを減らすために押さえていただきたい会社選びのポイントを後ほど紹介します。

デメリット2. 自社にノウハウが蓄積しづらい

プロに任せるとはいえ、将来的に自社でも実行できるようにノウハウを吸収できると理想的です。

企画の立て方、協力会社の手配、準備の進め方、現場での立ち回りなど、委託先から意識して学びたいことはたくさんあるでしょう。しかし、手順や注意点など具体的な情報を公開していない会社もあります。

こうしたノウハウを隠さずに積極的にシェアしてくれる企業をパートナーに選びたいところです。

イベント運営会社を選ぶときの5つのチェックポイント

どんなイベント運営会社を選べばいいのか、選定基準となる5つのポイントを紹介します。

①過去の主催・運営実績

自社が開催を考えているイベントに近い規模・内容での実績が多ければ、イベントは成功しやすくなります。

開催件数、設立何年かなども参考になるので、ぜひあわせてチェックしてください。

特に主催者など、オーナー権限、最終責任を負う立場での実績があるかのチェックは必須です。

②料金と費用対効果

展示会に出展するためには、まず出展料金がかかります。さらに運営会社に依頼すると、ブースの装飾費用やプロデュース料、企画費用などコストは上乗せされます。

しかしイベント運営会社は、トータルコストが安い会社を選べばいいというものではありません。あくまで重要なのは、どれだけ自社のねらいにマッチし、効果を見込めるかです。費用対効果を重視しながら選びましょう。

また見積もりを依頼した際に、「一式」ではなく「◯◯費」「◯◯代」などと、こちらに知識がなくても内容が分かるように細かく費用を出してくれるかもポイントです。

③対応している規模・エリア

大規模な会場での運営ができるところもあれば、そうでないところもあります。

全国規模の展示会に参加した場合、遠方への移動については、基本はどこの運営会社も対応します。ただし、ごく小規模なローカル会社の場合は対応できないこともあるので注意が必要です。

イベント運営会社の所在地や対応エリアも確認が必須です。たとえば地方で開催するイベントの企画を、都内にしか拠点のないイベント運営会社に頼むと費用がかさむケースがあります。

地方でイベントを開催したいならその地域に根ざした業者の方が良いこともあるので、覚えておきましょう。

④得意としている分野・ジャンル

企画会社の中には、展示会やカンファレンスなど大規模イベントが得意とする会社もあれば、社員表彰式や株主総会などの社内向けイベントが得意な企業もあります。

また展示会は内容によって、BtoB型、BtoC型に分かれるため、依頼先の候補となっている企業がどんなジャンルのイベント・展示会を得意としているかをよく確認しましょう。

⑤コミュニケーションの取りやすさ

イベントの終了まで、密なコミュニケーションが取れることも重視したいポイントです。

イベント運営会社は、イベント開催のパートナーとなる存在です。日頃から小まめなやりとりが発生するため、返信が早い、話が的確であることなどは重要です。

特に経験豊富な人材が多い会社は、開催までのやりとりにも不安が少ない傾向があり、担当者の負担もより軽減できます。

イベント運営会社に依頼する場合の注意点

イベント運営会社にもさまざまな特長や形態があるため、提案の仕方や業務のスタンスも会社によって異なります。自社にマッチするパートナーを選ぶために、依頼を避けるべき会社の傾向も紹介します。

コスト削減を目的としている

予算内に収めるというコスト管理は大事ですが、コスト削減が目的化してしまうとチープな展示になり、結果も乏しくなる恐れもあります。

最終的な結果に根差したプランニングができる企業を選ぶのがおすすめです。
理想的な企画案を受けた後に、予算に合わせてコストカットを検討した方が、より現実的かつ効果的な展示内容に仕上がります。

受け身の姿勢で提案力が乏しい

「言われたことをきっちりやるのが得意」という運営企業もいます。その場合、こちらが定義し、指示を細かく行う必要が出てくるため、その分担当者の負担が大きくなります。

もしどんどん提案してほしいと考えるなら、積極的に提案する企業を選ぶ方がマッチするでしょう。

イベント運営会社は、自社にはない経験やノウハウをたくさん持っています。積極的な提案があった方が、自社の負担軽減になるだけでなく、効果的なイベント実施を期待できるでしょう。

柔軟な対応を嫌がる

イベントは、リアルタイムで行われるため臨機応変な対応が必要な場面も少なくありません。

もちろん急な変更によって追加費用が生じることもありますが、それでも実行したいときに素早く、前向きに対応してくれる業者は頼りになります。

運営会社の都合もあるとはいえ、土壇場での対応力、姿勢は見ておきたいポイントです。

イベント運営会社についてよくある質問

イベント運営会社への依頼が初めての方に多い質問を以下にまとめました。

イベント運営会社選びはいつから始めるべき?

早ければ早いほど良いですが、遅くとも半年前に依頼することを目安と考えましょう。

人気のあるイベント運営会社の場合は早々に予約が埋まっていることもあるため、希望の依頼先がある場合は1年ほど前から依頼しても早すぎることはありません。

展示会そのもののエントリーも同様です。早く申し込まないと出展できない場合もあるので注意してください。

出展料やイベント運営会社への依頼料の相場は?

開催する場所や参加者数、開催期間、イベントの種類などによっても大きく異なるため、一概に相場がいくらとは言えません。

展示会のよいところは、自社の予算規模にあわせてブースの大きさや装飾にかける費用を設定できる点です。

コストを抑えたい場合は自社で対応する部分を増やすなど、イベント運営会社と分担するのもよいでしょう。

イベント運営会社と契約した後にキャンセルはできる?

キャンセル自体は可能なケースもありますが、開催日までの残りの日数などに基づいてキャンセル料の支払いが必要になることが多くあります。

申し込み後のキャンセルは、余計な出費になるうえ、イベント準備が白紙になる、再度イベント運営会社探しから始めなければならなくなるなどデメリットばかりです。

キャンセル前提で探すのではなく、選定段階から慎重に探し、ここと思うところへ依頼するようにしてください。

まとめ

一言で「イベント運営会社」と言っても、役割と立場、得手不得手、対応しているエリア、料金などは各会社によって大きく異なります。
今回紹介した5つのポイントも踏まえて、自社のイベントに合う会社を探しましょう。
もしどうしても決められない場合は、イベント運営会社として長年の歴史があり、全国でのイベント運営経験も豊富な大手会社への依頼がおすすめです。

監修者プロフィール

RX Japan 株式会社 第三事業本部 早田 匡希

2005年にリード エグジビジョン ジャパン株式会社(現在のRX Japan)に入社。エレクトロニクス技術の展示会「ネプコン ジャパン」、フラットパネル開発・製造の展示会「ファインテック ジャパン」を担当し、営業活動/マーケティング活動に従事。2007年には営業責任者、マーケティング責任者に就任。その後、自動車向けの電子技術であるカーエレクトロニクスの専門展の新規立ち上げを担当し、2009年1月、「【国際】カーエレクトロニクス技術展」を初開催。2012年に事務局長に就任。2018年に医薬品・化粧品の開発・製造展である「インターフェックス Week」、飲料開発・製造展「ドリンク ジャパン」の事務局長に就任。2019年より第三事業本部長。

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